◎ 相続により出資持分を承継する場合
 (出資持分の定めある医療法人)



出資持分の定めのある社団医療法人の <持分の相続> について



◎ 出資持分のある社団医療法人の社員に相続が発生した場合 ・・・・・



◆ 相続により <出資持分を承継> する場合 ・・・・ 「出資」 の評価 財基通194-2


● 「被相続人の死亡」 → 「退社」 → 「相続人が持分払戻請求権を取得」
→ 「相続人の入社」 → 「持分払戻請求権 と 出資義務の相殺」
(社員資格の取得により出資が承継された場合、みなし配当課税されない)



● 財産評価基本通達に定める <取引相場のない株式の評価> に準じて評価

(1)

議決権は1人1議決権
  • 医療法人の社員は、出資社員 と 無出資社員からなる

  • 出資金額の多寡 と 議決権との関係は遮断されている
  •  
    (2)

    剰余金配当の禁止
  • 医療法第54条により、剰余金の配当が禁止されている

  • 医療の公益性の観点から営利性が否定されている



  • 上記 (1) から、評価方式は <原則的評価方式> となり、
    配当還元方式の適用はない

  • 医療法人の規模に応じて、類似業種比準価額、純資産価額、併用方式
  • 出資 と 議決権の間に関係がないので、20%評価減の規定の適用なし
  • その医療法人が特定の評価会社に該当すれば、純資産価額方式


  • 上記 (2) から、類似業種比準価額の計算については、
    1株当たりの配当金額> を除外

  • 「1株当たりの利益金額」 と 「1株当たりの純資産価額」 の2要素で計算
  • 「1株当たりの利益金額」 がゼロの場合でも、分母を 「4」 として計算する
  • 類似業種の業種目の選定については、大分類の 「その他の産業」 で、
       かつ、1業種目のみで計算します
  • 「配当期待権」 が発生することがないので、株価の修正を行うことはない



  • ◆ 相続した出資持分について <払戻請求権を行使> した場合


    ● 「被相続人の死亡」 → 「退社」 → 「相続人が持分払戻請求権を取得」


    被相続人について
  • 準確定申告が必要

  • 配当所得 (払戻金額 − 出資金額) が発生
  •  
    相続人について
  • 出資持分の払戻請求権が相続税の課税対象

  • 評価は (払戻金額 − みなし配当に係る源泉徴収税額)





  • ≪取引相場のない株式の評価に戻る≫

    ≪医療法人制度改革(1)に戻る≫  ≪出資額限度法人に戻る≫



    「出資」 の相続は、「社員の身分」 を伴って承継されるものではありません。
    相続により取得した出資持分については、その後承継するか否かで評価方法が変わってきます。




    mail: hy1950@manekineko.ne.jp
    tel: 06-6681-2144  税理士 服部行男
    http: //www.manekineko.ne.jp/hy1950/